アーク放電による紫外線と樹脂劣化


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ディスチャージランプ特有の問題である強紫外線照射による樹脂劣化問題に関して

■HIDと紫外線の関係について

H.I.Dやディスチャージと呼ばれるランプが通常のハロゲンランプや白熱球のようにフィラメントを利用した発光ではないことは「構造と茶道で説明したとおりです。

議題である紫外線についてですが、本来アーク放電時にはハロゲンランプ発光時とは比較にならないほどの紫外線が照射されます。(アーク溶接(電気溶接)のバチバチ光も同じですね)

紫外線とは

紫外線は屋外なら存在しますが、自然界における紫外線とアーク放電における紫外線量は全く異なります。アーク放電による強制的な紫外線照射は保護材や素材の耐候性・耐劣化テストに置いて、短時間で数百倍の時間の耐久性を測定するために用いられるくらいです。

※要は1時間のテストで1か月の耐久性を測定するといった意味です(例としてです)

紫外線はUV(ウルトラバイオレット)とも呼ばれるとおり、光のスペクトル(虹をイメージしてください)で紫のさらに外側に位置することから、紫を超える=ウルトラヴァイオレット不可視の光線です。

波長により大きく2つに分けられており、10~200nmの波長を遠紫外線(これは考えなくてもいい)、200-380nmの波長を近紫外線と言います。波長が短い程化学的に与える影響が大きく、一般的に取り扱われる範囲内の紫外線である近紫外線はさらに3つに分類される。

UVA(波長315nm~380nm)

これが私たちがいつも紫外線と認識している紫外線のことです。大気圏オゾン層を突破して、屋外大気中に降り注ぐ紫外線はこの波長の紫外線であり、日焼けサロンなどのランプもUVAでも波長が長い方のランプがよくつかわれているそうな。

他にも人体への影響としてビタミンDの合成や代謝促進、皮膚抵抗力増加などにも関係していると言われています。

UVB(波長315~280nm)

自然界に存在する割合はわずかで、日焼けサロンなどのランプも波長がこの付近になると水ぶくれ等の炎症を起こしやすくなります。肌に耐性がある人は早く黒くなると言うメリットもありますが、発がん性も高くなると言うデメリットつきです。

と言うことで波長が短くなるほど人体への影響も大きくなり、化学的な効果、影響も大きくなります。

UVC(波長200~280nm)

自然界には殆ど存在せず、化学的効果も大きく、キセノンアークテスト(耐候・劣化テスト)で適応されるのもUVB~この範囲内と思われます。医療用の殺菌灯としても利用されている=生体への攻撃性が強い。


紫外線と劣化の関係

と言うことで話は逸れまくりですが、紫外線は波長によって極めて大きな化学的影響があります。樹脂パーツは紫外線で劣化促進しますから、現在樹脂で設計されているヘッドライトレンズに多大な影響を与える可能性があります。

放電管には石英ガラスが使用されていますが石英ガラスは紫外線透過性の良好なガラスとして知られており、逆に紫外線を吸収させずに活用したい時に利用されます。

よくHIDバーナーには紫外線を通さないように石英ガラスを使用と表記されていますが、正しくはUVカット機能付き石英ガラスを使用。と言うことです。石英ガラスなのにUVをカットできます!という表記なので間違いのないように。

粗悪品にご注意

実際問題自動車用のHIDランプで、どの波長帯のUVが出ているかは分かりませんが、出ていることは確かです。そんな中UVカット石英ガラスを使用していない放電管のバーナーも存在するとか。。。

異常に安価な製品であったり、輸入元、販売元の所在がはっきりしない製品に関しては購入しない方が無難です。紫外線をカットしない唯のガラスで使用し続けた場合、ヘッドライトレンズの劣化は促進され、曇ってしまうでしょう。

こうなったレンズは交換するしかありません。外側コートの劣化と異なり、素材の変質劣化は元には戻りません。安価なHIDで高額なヘッドライト交換と言う憂き目にあわないように知識を高めましょう

UV石英ガラスか否かを見破る方法!?

ちなみにUVカット石英ガラスの表記があっても知るすべを持っていなければ分かりません。が、しかーし、石英か否かより、紫外線を調べれば早いわけです。UVチェッカーで簡単に分かりますので、そのうち製品比較に取り入れようかと思います。


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